トレンデレンブルグ徴候の正体|原因とデュシェンヌ歩行の違いを徹底解説

トレンデレンブルグ徴候の正体|原因とデュシェンヌ歩行の違いを徹底解説

トレンデレンブルグ徴候の正体|原因とデュシェンヌ歩行の違いを徹底解説を徹底追究! 知っておきたい 重要ポイントを分かりやすく展開します。

トレンデレンブルグ徴候を引き起こす背景には、単なる筋肉の衰えだけでなく、神経障害や関節の器質的破綻が複雑に絡み合っています。臨床で遭遇するトレンデレンブルグ徴候の原因は、大別して以下の3つのカテゴリーに分類されます。

第1に、局所的な中殿筋 筋力低下です。加齢に伴うサルコペニアや長期臥床による廃用性萎縮はもちろんのこと、股関節手術後の筋線維の損傷や癒着によって発生します。特に筋肉そのものが十分な張力を発揮できない状態では、自身の体重を支点上で支持することが物理的に不可能となります。

第2に、神経伝達の遮断による上殿神経麻痺です。中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を支配する上殿神経は、腰椎椎間板ヘルニアや骨盤骨折、人工股関節全置換術(THA)の後方アプローチや側方アプローチにおける術中牽引などによって損傷・絞扼を受けるリスクがあります。神経麻痺が生じると、どれほど本人が力を入れようとしても求心性収縮が起きず、完全な支持不能に陥ります。

第3に、骨・関節の構造的短縮を伴う変形性股関節症 歩行分析において最も警戒されるメカニズムです。股関節の変形、大腿骨頭の圧潰や亜脱臼、あるいは大転子が高位へ偏位すると、筋肉の起始・停止間の距離が縮まります。筋肉は一定の長さがないと十分な筋力を出せない(至適筋節長から外れる)ため、筋力自体のポテンシャルがあっても物理的な収縮効率が激減してしまうのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。