生理痛によって就業が困難な場合の休暇取得は、労働者のわがままでも特権でもなく、法律で厳格に保障された権利です。労働基準法第68条の生理休暇規定には、次のように明確に記されています。
「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」
この条文には「正社員に限る」といった雇用形態の制限はなく、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員であっても等しく適用されます。また、会社側に「請求を拒否する権利(時季変更権など)」は一切認められていません。女性側が「就業が困難である」と申し出た時点で、使用者は就労を免除する法定義務を負います。
一方で、実務上で多くの労働者を悩ませているのが、生理休暇の有給・無給の扱いです。厚生労働省の雇用均等基本調査によると、生理休暇を「有給」としている企業は全体の約3割程度にとどまり、約7割が無給としています。法律は「休ませること」を義務付けているものの、「その間の賃金を支払うこと」までは義務付けていないためです。給料が減額されることを懸念し、生理休暇ではなく年次有給休暇を充当して休む選択をする労働者が多数派を占める要因がここにあります。