原作の権利切れを象徴する最大の出来事となったのが、2026年に公開されたスラッシャー・ホラー映画『プー あくまのくまさん(原題:Winnie-the-Pooh: Blood and Honey)』です。子供たちのアイドルであるプーさんとピグレットが人間を惨殺していくという過激な内容は、世界中に大きな衝撃を与えました。
この映画が法的に成立した経緯には、綿密なリスクヘッジが隠されています。監督を務めたリース・フレイク=ウォーターフィールド氏は、ディズニーからの訴訟を徹底的に回避するため、以下の要素を厳密に排除して制作を進めました。
映画内のプーさんは赤いTシャツではなく木こりのようなチェック柄のシャツを着用し、ディズニー版特有の愛らしい造形やセリフ回しは一切排除されました。さらに、1926年の第1作に登場していない人気キャラクター「ティガー」は、2作目の小説『プー横丁にたった家』(1928年刊行)初出であったため、第1作の映画には登場させず、ティガーの著作権が切れた2026年以降の続編から登場させるという徹底ぶりでした。