かつて一世を風靡した一本足打法が、なぜ現代のプロ野球界で激減してしまったのか。その背景には、投手の投球技術と近代野球の戦術的進化があります。
第一の理由は、投手の平均球速向上と高速変化球の台頭です。150km/h超のストレートが標準化し、140km/h台で鋭く曲がり落ちるツーシーム、スプリット、スイーパーが主流となった現代において、足を高く上げて待つ時間は命取りになります。始動からインパクトまでのコンマ数秒を削るため、打者は「ノーステップ打法」や「ヒールダウン打法」といった、より無駄のないフォームを選択するようになりました。
第二の理由は、クイックモーションと投球テンポの進化です。走者がいなくてもテンポを変えたり、クイック気味に投げ込んで打者のタイミングを狂わせる投球術が洗練された結果、一定のリズムで足を上げる一本足打法はタイミングを外されるリスクが跳ね上がりました。
つまり、一本足打法が劣っていたのではなく、投打のスピードバトルが極限まで加速した結果、フォームの最適解が変化したというのが歴史の真実です。