1998年、J-POPシーンに現れた2つの彗星。セルフプロデュースで若者のカリスマとなった浜崎あゆみと、圧倒的な表現力と楽曲構造で旋風を巻き起こした宇多田ヒカルである。2000年代初頭のCDセールス全盛期、アルバムの同日発売などによってチャートバトルが過熱し、世間は両者を絶対的な対立軸として捉えていた。
だが、その図響を爽快に吹き飛ばしたのが「Movin' on without you」のカバー解禁だった。原曲が持つ疾走感あふれるトラックに対し、浜崎あゆみは自らのボーカルスタイルを一切ブレさせることなく前面に押し出した。時代を象徴する2人の才能が同一の楽曲上で交差し、音楽ファンを大いに熱狂させた瞬間である。