聖地・両国国技館の重厚な扉をくぐると、そこには日常から完全に切断された別世界が広がる。年6回開催される大相撲本場所は、いまや日本国内の伝統行事という枠組みを完全に踏み越えた。ハリウッドのトップスターや欧州のセレブリティが、おしのびで来日しては升席で焼き鳥とビールを嗜む姿が日常風景となりつつある。
なぜこれほどまでに世界のハイソサエティを魅了するのか。理由の一つは、数百年続く伝統の重厚さと、勝負の刹那が織りなす絶妙なコントラストだ。立ち合いの衝撃音「ドスッ」という重低音は、特等席でしか味わえない身体的体験。一度体験すれば、誰もがその魔力の虜になる。