そもそも、なぜ一流作家たちの名著が合法的にタダで読めるのでしょうか。その根本的な背景には、日本の著作権法が定める保護期間の満了があります。青空文庫は、1997年に故・富田倫生氏らの呼びかけによって創設されたインターネット上のボランティア電子図書館です。作家の死後一定期間が経過し、創作物の財産権が消滅した「パブリックドメイン(公共の財産)」となった文学作品を、有志の手でデジタルテキスト化してきました。
著作権法の改正(環太平洋パートナーシップ協定発効に伴う見直し)により、2018年12月30日以降に死亡した著作者の保護期間は「死後50年」から「死後70年」へと延長されました。しかし、法改正の施行前すでに保護期間が終了していた作品に関しては、不遡及の原則により著作権が復活することはありません。そのため、太宰治・宮沢賢治・夏目漱石・芥川龍之介をはじめとする近代文学の金字塔は、何万人、何億人が複製・配布しても法的に完全に無償で取り扱うことが可能です。
Amazonが提供するKindleストアでも、このパブリックドメイン作品を「0円(無料配信)」の電子書籍として登録・配信しています。読者がKindleデバイス、iPhone、iPad、AndroidスマートフォンのKindleアプリから購入処理を行えば、一切の課金なしでライブラリに収蔵できる仕組みが維持されています。