こうした軍事構想の恐ろしさを世界中の人々に強烈に印象付けたのが、エンターテインメント作品だ。ジョン・M・チュウ監督が手がけたハリウッド大作映画『G.I.ジョー バック2リベンジ』では、劇中の悪の組織が「ゼウス」と名付けられた軌道質量兵器を使用するショッキングな場面が描かれた。
映画内で放たれたタングステンの柱は、ロンドンを一瞬にして塵へと変えた。爆薬の爆発ではなく、運動エネルギーのみで都市が崩壊していく様は、観客に強いトラウマと好奇心を植え付けた。
現在、NetflixやHBO Maxといった配信サービスを通じてこの作品を観た視聴者が、現代の軍事技術と映画の描写を比較して話題にするケースが後を絶たない。フィクションの中で描かれた最悪のシナリオが、現実の軍事技術の延長線上にあるという事実が、人々の恐怖をあおっている。