経費精算において「クレジットカードの利用代金明細書があるから、レシートを捨ててしまった」というミスが散見されます。しかし、Apple Payとクレジットカード明細の違いを正しく理解していないと、税務調査で仕入税額控除を否認される危険があります。
カード会社が発行する利用明細書は、あくまで「カード会員とカード会社間の立替払いの記録」です。商品を販売した事業者(店舗)が発行した書類ではないため、原則としてインボイスとしての要件を満たしません。2026年10月のインボイス制度開始以降、クレジットカード明細単体での経費処理は認められず、店舗から受け取った領収書やレシートの保存が義務付けられています。
さらに、Apple Pay特有の仕様として「デバイスアカウント番号(DAN)」の存在があります。Apple Payにクレジットカードを登録すると、セキュリティ保護のため、実際のカード番号とは異なる仮想の番号が端末に割り振られます。レシートに印字される番号の末尾4桁がプラスチックカードの番号と一致しないことがありますが、これは不正利用防止のための正常な挙動です。社内の経理担当者から「カード番号が違う」と指摘された場合は、ウォレットアプリ内のカード詳細画面に表示されている「デバイスアカウント番号」を提示すれば解決します。