商品開発における佐治の執念もまた、語り草となっている。その代表例が『ザ・プレミアム・モルツ』のヒットと、世界的な評価を高めた『シングルモルトウイスキー山崎』の国際展開だ。ビール事業は長年にわたり赤字が続いていた「苦節の歴史」を持つが、諦めずに投資を継続。プレミアムビールという新たな市場を切り拓いた。
一方で、祖父である鳥井信治郎が開拓した日本のウイスキー造りの歴史を継承し、世界最高峰の賞を次々と総なめにするブランドへと育て上げた。妥協を許さない品質へのこだわりと、長期的な投資を惜しまない姿勢。まさに、目先の利益に惑わされない真のブランドビルディングがそこにはあった。