紅月カレンとルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの関係は、単純な「恋愛」や「主従関係」という言葉だけでは到底括りきれません。当初は「日本を救う仮面の英雄・ゼロ」への純粋な心酔から始まった忠誠心は、アッシュフォード学園の同級生であるルルーシュこそがゼロの正体であると知った瞬間から、激しい疑念と愛憎へと変化していきました。
特にファンコミュニティで語り草となっているのが、『R2』第22話「皇帝 ルルーシュ」で交わされた最後のキスです。皇帝に即位し、世界を敵に回す独裁者となったルルーシュの真意を問いただすべく、カレンは単身で私室に乗り込みます。「私に生きろと言ったのはあなたよ!」「答えてルルーシュ、私はあなたにとって何なの?」と魂の叫びをぶつけるカレンに対し、ルルーシュは冷淡な言葉を返しながらも、無言で彼女を引き寄せ、深いキスを交わしました。
この場面について、長年カレン役を務めた声優・小清水亜美氏は、当時の特番インタビューや公式ブックの回顧録において、「カレンはあの瞬間、ルルーシュが全てを背負って悪者になろうとしている痛々しさを感じ取っていた」「拒絶する言葉とは裏腹のキスの温度に、彼の本当の孤独を見た」という趣旨の告白を残しています。ルルーシュがカレンを冷たく突き放したのは、彼女を自分の破滅の道連れにせず、光ある未来(日常)へと帰すための不器用な愛でした。カレンが呟いた「さようなら、ルルーシュ」という言葉は、彼への恋情を胸にしまい、彼の覚悟を受け止めて敵として対峙するという、究極の決別の証だったのです。