死刑執行命令書への署名は、歴代の法務大臣にとって「最も精神的負荷が大きい仕事」と語られてきた。かつて法務大臣を務めた小泉龍司氏をはじめ、政権を担う閣僚たちは判決文だけでなく、裁判の記録、再審請求の有無、さらには収容者の精神状態に至るまで膨大な書類を細部まで読み込む。
法務省内部では、大臣の署名に至るまでに何重もの検証プロセスが存在する。刑事局の担当官から始まり、事務次官を経て大臣の元へと回覧される決裁ラインは、一切のミスを許さない厳格な仕組みだ。だが、表舞台に出ることは滅多にない。命令が下された直後、関係者以外には伏せられたまま準備が進められるのが実状である。