愛川欽也さんとうつみ宮土理さんの足跡を語る上で欠かせないのが、東京都目黒区青葉台に佇む「中目黒キンケロ・シアター」です。2009年、愛川さんが「若い俳優たちが安価で自由に使える表現の場を作りたい」と私財を投じて開設した劇場であり、劇場のネーミングは二人の愛称(キンキンとケロンパ)から付けられました。
愛川さんが逝去した際、劇場建設に伴う多額のローンや維持管理費、さらには相続に伴う遺産問題が一部女性誌などで取り沙汰されました。愛川さんには前妻との間に実子がいたこともあり、「劇場の存続は困難ではないか」「売却されるのではないか」と危惧する報道が過熱した時期もありました。
しかし、うつみ宮土理さんは「キンキンが残した最大の宝物を絶対に手放さない」と決断しました。シアターの運営を自ら引き継ぎ、代表として劇場の黒字化と維持に奔走。現在もキンケロ・シアターは休館することなく稼働を続けており、若手劇団の本公演から落語会、さらにはうつみさん自身のプロデュース公演まで幅広く愛される演劇の聖地となっています。劇場からほど近い目黒の自宅に暮らしながら、現在も日々劇場へと足を運び、愛川さんの情熱を受け継ぎ守り抜いています。