2014年6月4日午前6時8分、林隆三さんは東京都内の病院で静かに息を引き取りました。公式発表による直接の死因は腎不全でした。享年70。あまりにも突然すぎる訃報に、芸能界および日本全国のファンに大きな激震が走りました。
異変が起きたのは、逝去のわずか1週間前となる2014年5月28日のことでした。東京都目黒区のライブハウス「ブルースアレイジャパン」で開催された自身のトーク&ライブ『林隆三 70th バースデーイブ・ライブ』の終演直後、楽屋に戻った林さんは激しい体調不良を訴え、その場で倒れ込みました。関係者によって直ちに救急搬送されましたが、搬送先の病院で急性肺水腫を発症していることが判明します。
肺水腫は、肺に液体が溜まり重篤な呼吸不全を引き起こす病態です。医師団による懸命の集中治療が行われたものの、心肺機能の低下から急激に多臓器へと負担が広がり、最終的に腎不全を併発。意識が戻ることのないまま、最期は静かに旅立ちました。倒れる直前までステージ上で軽妙なトークを繰り広げ、情熱的に歌声を響かせていた姿を目の当たりにしていた観客やスタッフにとって、それが永遠の別れになるとは信じ難い現実でした。
関係者の回想録によると、晩年の林さんは決して体調が万全ではなかったものの、「舞台や表現の場に穴を空けることは役者としての死を意味する」という強烈な信念から、周囲に過度な心配をかけまいと気丈に振る舞い続けていたといいます。命を削りながら表現に身を捧げ、まさにステージ上で役者人生の幕を引いた壮絶な生き様でした。