『Fate/strange Fake』における「偽りのライダー」として召喚されたペイルライダーの正体は、新約聖書『ヨハネの黙示録』第6章に記された「黙示録の四騎士」における第四の騎士です。「蒼ざめた馬」に乗り、地上の四分の一の人間を死に至らしめる権能を与えられた「死(ペイルライダー)」そのものがサーヴァントの枠組みに押し込められています。
通常の聖杯戦争において召喚される英霊は、生前の功績や神話上の武勇を持つ「個」としての魂です。しかし、ペイルライダーには個人の意志や肉体、英雄としてのエピソードが存在しません。歴史上で無数の命を奪ってきた疫病、飢餓、戦争、そして死の恐怖という集合的な現象が、偽りの聖杯戦争の歪んだシステムによってサーヴァントとして成立してしまっています。
作中でも「生物ですらない無機質な死のシステム」として描写されており、対話による説得や物理的な暗殺といった通常の対人戦術が一切通用しません。英霊の座に登録された伝説の英雄たちですら、ペイルライダーの前では「死を迎える一個の生命」に還元されてしまう点が、本霊の最大の特異性と言えます。