季節の言葉である白南風は、一般的に「しらはえ」と読みます。現代の辞書や慣用表現においては「しろはえ」と読まれるケースも認められていますが、俳句の世界や伝統的な歳時記においては「しらはえ」と読むのが定則です。難読語の一つに数えられますが、南からの風を「はえ(南風)」と呼ぶ西日本を中心とした古くからの漁師言葉(舟乗り言葉)に由来しています。
言葉の意味としては、「梅雨が明けた直後、青空が広がった時期に吹く心地よい南風」を指します。長く続いた梅雨前線が北上し、太平洋高気圧が本格的に日本列島を覆い始めたときに吹き込むため、湿っぽさが抜け、初夏特有のカラッとした明るい光を運んでくるのが大きな特徴です。
古典文学や俳句において、白南風は単なる風情の描写にとどまらず、「陰鬱な雨の季節が終わり、生命力あふれる盛夏が始まった喜び」を象徴する極めてポジティブな季語として重宝されてきました。