『メイちゃんの執事』の配役表を見返した際、多くのエンタメファンが息を呑む理由は、単に「有名な俳優が出ている」というレベルに留まらない点にあります。日本アカデミー賞の最優秀賞受賞者、NHK大河ドラマの単独主演俳優、独立して自らの制作会社を牽引するトップランナーが、ひとつの寄宿学校の敷地内にひしめき合っていたのです。
うどん屋の娘から突如として本郷財閥の跡取り候補となったヒロイン・柴田メイを演じた榮倉奈々は、本作でコメディエンヌとしての才能を開花させました。その後、TBS系ドラマ『Nのために』や映画『余命1ヶ月の花嫁』などシリアスからヒューマンドラマまで幅広く主演を歴任。俳優の賀来賢人との結婚・出産を経て、自らアパレルブランドの立ち上げや経営に参画するなど、洗練された自立した女性像のアイコンとして高い発信力を維持しています。
メイを公私にわたって支えた完璧無比なSランク執事・柴田理人役の水嶋ヒロは、端正な容姿と知的な佇まいで視聴者を熱狂させました。エランドール賞新人賞を受賞するなど俳優として頂点を極める中、シンガーソングライター・絢香との結婚を機に活動領域を拡張。小説『KAGEROU』でポプラ社小説大賞を受賞して作家デビューを果たしたほか、株式会社の代表として投資事業やブランドプロデュース、YouTubeでの発信など、既成概念に囚われないマルチクリエイターとしての道を切り拓いています。
そして理人の弟であり、メイに想いを寄せる「見習い執事(通称・豆柴)」こと柴田剣人を演じた佐藤健の躍進は、もはや説明不要の領域に達しています。本作出演当時は『仮面ライダー電王』終了直後で、あどけなさと熱血漢のキャラクターが同居していましたが、映画『るろうに剣心』シリーズの大ヒットで日本アクション映画の金字塔を打ち立て、ドラマ『恋はつづくよどこまでも』『First Love 初恋』などで社会現象を連発。独立後は自らクリエイティブ集団を率い、プロデュース業にも深く関与するトップスターへと上り詰めました。