スピッツのディープなファンコミュニティや各種レビューサイトにおいて、シングル曲以上に語り草となっているのがアルバム曲や初期のインディーズ期に近い楽曲群です。ファンの間で「真の意味で背筋が凍る」と評されるスピッツの怖い曲ランキング上位常連曲を検証します。
まず筆頭に挙げられるのが、1stアルバム『スピッツ』に収録されている「うめぼし」や「死神の岬へ」です。「うめぼし」では、うめぼしを食べたいという一見シュールな欲求の中に、生々しい肉体感覚と孤独の狂気が滲みます。また、2ndアルバム『名前をつけてやる』収録の「ウサギのバイク」や「胸に咲いた黄色い花」では、無垢なメルヘンの皮を被りながら、どこか精神の均衡を崩したかのような危うさが漂います。
SNSやコミュニティサイトでは、こうしたスピッツの歌詞が暗い・不気味とされる側面について、以下のようなリアルなリスナーの声が寄せられています。
「中学生の頃は何の気なしに聴いていたけれど、大人になって歌詞カードをじっくり読んだ瞬間、鳥肌が立った。これ、完全に境界線を越えてしまった人間の視点じゃないか」(30代男性・音楽ファン)
「『ナイフ』という曲を夜中にイヤホンで聴いたときの底知れぬ怖さはトラウマ級。でも、その暗闇の中にしか存在しない救いがあるからスピッツはやめられない」(40代女性・ファン歴25年)
このように、リスナーは単に「怖いもの見たさ」で聴いているのではなく、人間の無意識下にある狂気や孤独を優しく包み込んでくれる「甘美な毒」としてスピッツの暗黒面を受容している実態が浮かび上がります。