Reel Big Fishを語る上で絶対に外せないのが、1996年にリリースされ全米で50万枚以上を売り上げゴールドディスクを獲得したスカパンクの金字塔的名盤『Turn the Radio Off』です。
同アルバムのオープニングを飾り、彼らの名を世界中に知らしめた最大の代表曲が「Sell Out」です。この楽曲は、疾走感あふれるホーンリフと極上のポップメロディに乗せて、「大金を積まれて魂を売り渡す(Sell Outする)バンドマンの哀哀たる本音」を痛烈に歌い上げた自己風刺ナンバーでした。
「Sell Out」の歌詞(和訳)を紐解くと、そこには痛快なまでのシニシズムが溢れています。
「レコード会社がやってきて僕に言ったんだ/君たちならビッグになれる、大金を稼げるぞってね/だから僕は魂を売ることに決めたのさ/レコード会社は僕に大金をくれるって言うんだから」
メジャーレコード会社からデビューするまさにそのタイミングで、「商業主義への屈服」を明るく開き直って歌うという前代未聞のブラックユーモアは、当時の若者たちの心を強烈に掴みました。音楽批評筋からも「グランジ以降のシリアス一辺倒だったアメリカンロック界に、自虐とパーティー感覚を融合させた画期的なマスターピース」として、現在に至るまで極めて高い評価を与えられています。