御朱印の貼り方や管理に関して、ネット上でまことしやかに語られる情報の中には、保存科学や実際の寺社現場から見ると誤解が含まれているものが少なくありません。
盲点1:市販の安い両面テープが引き起こす「10年後の惨劇」
「水分がないから両面テープが最強」と考えて事務用の普通両面テープを使用する方がいますが、これには長期的な罠があります。一般的な粘着テープに使用されている合成ゴム系・アクリル系粘着剤は、空気中の酸素や紫外線、経年によって分解され、5〜10年が経過すると油分が滲み出て和紙を茶褐色に変色させたり、粘着剤が固化してパリパリに剥がれたりする現象が起きます。
御朱印を数十年単位で後世に残したい場合は、写真のスクラップブッキング等でも使われる「アシッドフリー(耐老化性・中性)」と明記された両面テープやテープのりを必ず選んでください。
盲点2:「神社とお寺の御朱印を同じ帳面に貼ると断られる」の真偽
「神社とお寺の御朱印を混ぜて貼ると拒否される」という説は、明治初期の神仏分離令の名残や、日蓮宗など特定の教義を厳格に守る寺院において、同一帳面への揮毫(手書き)を断る事例が過去にあったことから広まりました。
2026年現在の一般的な実態としては、書き置き御朱印を参拝者自身が自宅で貼る分には、神社と寺院が同一の御朱印帳に並んでいても信仰上・マナー上の問題とされることはほぼありません。
ただし、将来的に現地で直接書いてもらう「直書き」を同じ御朱印帳でお願いする予定がある場合は、寺社側への配慮として「神社用」「寺院用」で帳面を2冊に分けておくのが無難です。
盲点3:貼る順番は「授与日順(日付順)」に厳密に従うべきか?
書き置き御朱印が何枚か溜まってから貼る際、「参拝した日付順にきっちり並べないと失礼にあたるのか」と悩む方がいます。こちらも「参拝順・日付順」に貼るのが美しい基本構成ではありますが、絶対の戒律ではありません。
例えば「見開きの大判御朱印」を綺麗に収めるためにページを1面あけて調整したり、旅行や巡礼のエリアごとにまとめてレイアウトしたりすることも、参拝者の心意気として広く認められています。