鎌倉幕府の滅亡と北条高時の悲劇は、長らく「暗君による失政」という都合の良いスケープゴートによって片付けられてきた。しかし、歴史の深層をつぶさに検証すれば、そこにあったのは個人の悪徳ではなく、150年の間に積み重なったシステムの構造疲労と、権力の歪みがもたらした必然の崩壊劇であった。
病弱な身でありながら名門の重圧を背負わされ、最後は武士の誇りを胸に潔く東勝寺で散った北条高時。虚飾に満ちた軍記物語のベールを剥ぎ取った先に現れるその実像は、時代の激流に呑み込まれながらも懸命に生きた一人の若き当主の、痛切な人間ドラマそのものである。 (出典: 北条 高 時(Yahoo!ニュース))