日本最古の石仏・大谷寺の深層|大谷観音の伝説と平和観音の違いを徹底解説

日本最古の石仏・大谷寺の深層|大谷観音の伝説と平和観音の違いを徹底解説

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大谷寺には古くから「弘法大師(空海)がこの地を訪れ、毒蛇を退治して一夜にして岩窟に千手観音を刻んだ」という劇的な創建伝説が伝承されてきました。しかし、近年の歴史学・美術史学における調査研究では、この伝承とは異なる興味深い事実が明らかになっています。

大谷観音の彫法や衣文(えもん)の表現様式を精査すると、平安時代初期(820年頃から9世紀半ば)の作風と一致する一方で、日本古来の彫刻技法とは一線を画すアフガニスタン・バーミヤン石窟寺院の仏教彫刻との類似性が研究者から指摘されています。空海本人が直接鑿(のみ)を振るったというよりは、唐から渡来した高度な技術を持つ仏師集団、あるいはシルクロード由来の石窟彫刻技術を学んだ僧侶たちが、大谷の特異な凝灰岩地質に着目して造立した可能性が極めて高いと結論づけられています。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。