キスシーンに続いてファンの間で語り草となっているのが、原作小説第7巻〜第8巻にかけて訪れる通称「蛙のシーン」です。この描写は単なるコメディや艶笑小噺ではなく、物語の根幹を揺るがす決定的な儀式でした。
壬氏は後宮を統括する宦官として振る舞っていましたが、その実態は皇弟であり現帝の御落胤でもある高貴な皇族・華瑞月(カ・ズイゲツ)です。猫猫に自らの最大の秘密を明かし、偽宦官としての仮面を脱ぎ捨てるため、壬氏は自らの男性器を猫猫に直接触れさせ、男であることを物理的に証明します。
この前代未聞の状況に対し、薬師としての冷静な観察眼を発動させた猫猫が、脳内でその感触を「まるで蛙のようだ」と臨床的に評したことから、読者の間で「蛙のシーン」と命名されました。しかし、この行為に込められた壬氏の覚悟は凄まじいものがあります。正体を明かすことは、国家反逆罪にも問われかねない禁忌を共有することを意味し、「皇位継承権を捨ててでも、お前を唯一の妻(正妻)に迎える」という命懸けのプロポーズだったのです。