禁忌の子を紐解く上で欠かせないのが、父親と母親の正体です。なぜ両親は掟を破ってまで命を繋いだのか、そこには政治的謀略や引き裂かれた愛の悲劇が横たわっています。
母親側は高潔な血を引く聖女や貴族の令嬢であることが多く、自らの命や社会的地位と引き換えにして子どもを産み落とすケースが目立ちます。一方で父親は、追放された異端者、封印された魔王、あるいは冷酷に実験を主導した権力者など、強大な力を有する存在として描かれます。母親の無償の愛による庇護と、父親が遺した呪いとも言える強大な因縁が、主人公の幼少期に強烈な陰影を落とします。
隠れ里での極貧生活や地下牢での隔離など、凄惨を極める生い立ちは、主人公の精神構造に「自己否定」と「他者への渇望」というアンビバレントな葛藤を植え付けます。この心理的リアリティが、物語のドラマ性を飛躍的に高めています。