ショパンエチュード難易度格付け!最難関の真実と挫折しない曲順

ショパンエチュード難易度格付け!最難関の真実と挫折しない曲順

ショパンエチュード難易度格付け!最難関の真実と挫折しない曲順の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

ショパンのエチュードの中で一般知名度が突出している3大名曲――「革命のエチュード」「別れの曲」「木枯らしのエチュード」――には、演奏者だけが知る強烈なギャップが存在します。聴き馴染みがあるからこそ「自分にも弾けるかもしれない」と安易に手を出すと、思わぬ技術的罠に足を取られることになります。

まず革命のエチュード(Op.10-12)は、冒頭のドラマチックな和音打鍵に続く、怒濤の左手アルペジオが全編を支配します。左利きでない限り多くの奏者が左手の運動性能の限界に直面しますが、実はショパン自身が「左手の柔軟な手首の脱力運動」を無理なく行えるよう緻密な指使いを指示しています。腕全体の重みを使って波のように弾くコツを掴めば、見た目の派手さに対して技術的安定を得やすい曲でもあります。全音ピアノピースでは難度Fに指定されているものの、練習の成果が直線的に現れやすいため、実質的なハードルは上位曲の中では中位にとどまります。

次に、映画やドラマでも頻繁に使われる別れの曲(Op.10-3)。美しく静寂な第1主題のメロディに惹かれて譜読みを始めた初中級者が、中間部(第38小節以降)の阿鼻叫喚に巻き込まれるのは指導現場の「あるある」です。突然現れるブラヴーラな跳躍、減7の和音による平行3度・6度の急速な重音パッセージは、ショパンエチュード屈指の超難所です。メロディだけならソナチネ修了レベルでも譜読みできますが、中間部を破綻なくテンポを維持して弾き切るには、リストの難曲に匹敵する高度な打鍵精度が必要とされます。指導者たちが「別れの曲を弾きたいなら中間部から譜読みを始めなさい」とアドバイスするのは極めて合理的です。

そして木枯らしのエチュード(Op.25-11)。厳粛な4小節の導入(Lento)から一転、冬の嵐のような右手の6連符がピアノ全体を駆け巡るこの曲は、文字通りの怪物曲です。右手の指先を激しく伸縮させながら下降・上昇するパッセージは、小手先だけのテクニックでは数ページで前腕が燃えるように疲労し、弾き続けることが不可能になります。右手のみならず、飛び交う左手の跳躍打鍵を正確にコントロールしなければならず、精神的・肉体的なスタミナ消費量は全曲中トップクラスです。まさにエチュードの「ラスボス」の貫禄を備えています。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。