ネット上では「ナイアンティックは単に課金圧力を強めて暴利を貪りたいだけではないか」という短絡的な集金批判が散見されます。しかし、同社のビジネスモデルと設立母体を精査すると、問題の本質はより複雑な「思想の独善性」にあることが分かります。
Nianticは元々、Googleの社内スタートアップとして誕生した位置情報・AR技術のテクノロジー企業です。同社の最終目標は「ゲームの運営」そのものよりも、「世界中の人々に現実空間を歩かせ、高精度な3D地図データ(空間マッピングデータ)を収集し、次世代のARプラットフォームを構築すること」にあります。
つまり、リモートレイドパスの普及によって「プレイヤーが自宅のソファに座ったままレイドを完結させてしまう状況」は、Nianticの企業理念やスポンサー企業(現実の店舗へ集客したいタイアップ企業)との契約モデルからすると、事業の存続基盤を揺るがす異常事態だったのです。同社にとってリモートレイドの縮小は、短期的な課金売上を犠牲にしてでも強行しなければならない「企業のアイデンティティに関わる防衛策」でした。
しかし、ユーザー側から見ればそれは企業の都合に過ぎません。すでに日常のエンターテインメントとして生活の一部になっていたゲーム体験を、理念の押しつけによって一方的に奪われたと感じたからこそ、修復不可能なレベルの大炎上へと発展してしまったのです。