新築の仕様決めにおいて、SNSを中心に絶大な支持を集めるのが「アイランドキッチン」と「畳コーナー(小上がり和室)」の導入です。「20畳あれば両方とも無理なく収まる」という言説がネット上で散見されますが、これは間取り破綻を引き起こす典型的な誤解です。
アイランドキッチン導入による「有効面積の激減」
壁付けや標準的なペニンシュラキッチンと異なり、アイランドキッチンは本体の左右両側に回遊動線が必要です。すれ違いや冷蔵庫・収納の開閉を考慮すると、キッチンの左右に通路幅各80〜90cm、背面収納との間に100cmの空間を空ける必要があります。これにより、キッチンエリアだけで約6.0〜6.5畳を独占します。20畳からこの面積を引くと、残りは13.5畳。ここに4人掛けのダイニングセットを置けば、リビングエリアに残されるのはわずか8畳未満となり、もはや大空間のゆとりは跡形もなく消滅します。
畳コーナー・和室の併設がもたらす空間の分断
「子どもを寝かせたい」「来客用のスペースが欲しい」という動機で、20畳のLDK内に3〜4.5畳の畳コーナーを組み込むプランも注意を要します。小上がり仕様にすると、床面の連続性が途切れ、視線が段差で遮られるため、脳は空間を「ひとつの大空間」ではなく「16畳の狭いLDKと小さな小部屋」として認識します。畳スペースを優先した結果、肝心のリビングで家族全員がくつろげない本末転倒な事態に陥る施主が少なくありません。