自身の目の位置にズレがあるのか、それとも一時的な疲れ目なのかを客観的に見極めるためには、眼科検診でも基本手技として用いられる検査を応用したセルフチェックが極めて有効です。特別な器具を使わず、自宅で手軽に行える代表的な3つの手法を解説します。
1. 遮閉・遮開法(カバー・アンカバーテストのやり方)
眼科で眼位ズレを割り出す標準検査であるカバーテストのやり方をセルフチェック用に簡略化した手順です。手鏡と片目を隠す遮蔽具(スプーンや厚紙で代用可能)を用意してください。
① 室内で約2〜3メートル以上離れた特定の一点(カレンダーの数字や壁のスイッチなど)を両目でしっかり見つめます。
② 遠くの目標を凝視したまま、右手で右目を覆い隠し、3秒間静止します。
③ パッと右目の覆いを外した瞬間、右目の黒目がどのように動くかを観察します(スマートフォンの動画機能で正面から顔全体を録画しておくと正確に確認できます)。
④ 反対の左目も同様の手順で行います。
覆いを外した瞬間に、隠されていた黒目が「外側から中央へ」あるいは「内側から中央へ」ピクッと素早く跳ね返るように動いた場合、普段は両眼視の力で無理に視線を合わせている「斜位(隠れ斜視)」が存在する証拠となります。
2. ペンライト(スマホライト)角膜反射チェック法
客観的な眼位を光学的に証明する手法が、医療現場で「ヒルシュベルグ法」と呼ばれる角膜反射の観察です。部屋を少し薄暗くし、スマートフォンのカメラの横に小さなペンライト(または画面の白輝度ライト)を構えます。カメラのレンズを真っ直ぐ見つめた状態でフラッシュ撮影を行います。撮影された写真の瞳孔(黒目の中央)を拡大し、ライトの光の反射点(白い小さな輝点)が左右の瞳孔のどの位置にあるかを確認してください。正常であれば反射光はほぼ黒目の中央やや内寄りに左右対称で映りますが、片方だけ反射点が中央から大きく外側に外れていれば内斜視、内側に外れていれば外斜視と視覚的に判別できます。
3. 間欠性外斜視セルフチェックリスト
自覚しにくい間欠性外斜視セルフチェックとして、日常生活における身体の反応を確認することも不可欠です。以下の項目のうち2つ以上当てはまる場合は、潜在的な融像力の限界を迎えているサインといえます。
・晴れた日の屋外に出ると、まぶしさのあまり無意識に片目をつぶってしまう(ウインク徴候)。
・お酒を飲んだときや、深夜のデスクワーク中にふと視界の文字が左右にズレて見える。
・長時間の読書やPC作業をしていると、激しい眠気や頭重感に襲われ、片目を手で覆うと楽に読める。
・友人や家族から「今、どこを見ているの?」と視線の不一致を指摘されたことがある。