寝室のレイアウトを考える上で、日本国内において絶対に外せないのが耐震・防災の視点です。大地震の発生時、負傷者の約3割から5割が「家具類の転倒・落下・移動」によって発生しているという公的データが存在します。
この観点において、部屋の中央にベッドを置くレイアウトは、実は極めて優れた安全地帯(セーフティゾーン)を形成します。壁際にベッドを配置している場合、頭上の壁掛けアートやエアコン、隣接するクローゼットや本棚が就寝中の直撃リスクとなります。一方、部屋の中央は周囲の大型壁面家具から十分な離隔距離(クリアランス)が保たれているため、揺れによって家具が倒れてきてもベッドの上に直撃する確率が劇的に下がります。
ただし、中央配置ならではの重大な注意点も存在します。それは「ベッド本体の横滑り(スライド移動)」です。特にキャスター付きのベッドフレームを使用している場合、震度5強以上の揺れでベッドごと部屋の端まで滑走し、窓ガラスを突き破ったりドアを塞いで避難経路を遮断したりする事故が報告されています。アイランド配置を採用する際は、必ず高摩擦の免震ゴムマットを脚下に敷き、キャスターは強固にロック、あるいは固定脚を選択することが防災上の絶対条件です。また、頭上にペンダントライトを吊るすのは避け、埋め込み型のダウンライトや間接照明を選択してください。