かつてのキャンパスライフや教育実態はどのようなものだったのか。同窓会誌のアーカイブ手記や関係者の証言、ネット上の同窓生コミュニティに寄せられた回想録から、当時の実情を検証します。
とりわけ特徴的だったのが「立正短期大学 仏教学科」の存在です。短大部でありながら本格的な日蓮宗の教理や仏教美術、歴史学を学べる環境は全国的にも稀有でした。寺院の後継者が僧侶資格の取得や基礎教養を身につけるためのステップとして門を叩くケースや、2年間の濃密な講義を経て立正大学の仏教学部や文学部へ3年次編入を果たす学生が多数派を占めていました。
当時の卒業生が残した手記には次のような回想が記されています。
「熊谷キャンパスの広い敷地で過ごした2年間は、短くも濃密でした。一般教養だけでなく、僧階の取得を目指して朝の勤行に励む同級生も多く、四大の学生と机を並べながら刺激を受けていました。編入試験の前には研究室の教授が夜遅くまで小論文の指導をしてくれたのを今でも鮮明に覚えています」(1990年代・短大部卒業生の手記より)
また、一般事務職や金融機関、一般企業への就職を目指す学生にとっても、立正大学のキャリアセンターや就職課をそのまま利用できるメリットは絶大でした。しかし平成不況が進むにつれ、一般職採用枠の急減や総合職の四大生限定採用が定着。「短大卒」という学歴枠組みそのものが就職市場で不利に働く現実を前に、学生たちの視線は急速に4年制学部へと向かっていきました。現場の教職員も「これ以上2年制に固執するより、最初から4年制で手厚いキャリア支援を施すべきだ」という結論に至ったと証言されています。