外食チェーンにおける紅生姜の提供環境を大きく揺るがしたのが、2022年9月に大阪市住之江区の吉野家店舗で発生した迷惑動画事件でした。店内の共用容器に入った紅生姜を、自身の口に入れた使用済みの箸で直接かき込んで食べる様子を共犯者がスマートフォンで撮影し、SNS上に投稿。動画は瞬く間にバイラル拡散し、吉野家ファンのみならず社会全体に強烈な不潔感と不信感を与えました。
事態を重く見た吉野家側は、動画確認後ただちに店舗を一時閉店させ、全容器の徹底的な消毒と紅生姜の全量廃棄・交換を実施。警察へ被害届を提出し、断固たる法的措置をとる姿勢を鮮明にしました。警察の迅速な捜査によって威力業務妨害および器物損壊の容疑で逮捕・起訴された主犯格の男に対し、大阪地方裁判所は2024年2月、懲役2年4か月・罰金20万円の実刑判決を言い渡しました。
この司法判断は、外食業界関係者から「極めて重く、かつ妥当なメルクマール」として受け止められました。裁判所は「客の信頼を根本から裏切り、飲食店に多大な経済的打撃を与えた悪質な犯行であり、模倣犯を防ぐためにも実刑を免れない」と厳しく断じました。1本の悪ふざけ動画が個人の人生を破滅させ、企業に数千万円規模の対応コストを強いる現実が白日の下に晒されたのです。