数ある共演の中でも、ファンの間で「神回」として語り継がれるエピソードには共通のパターンが存在します。それは、日常の瑣末な動作を極限まで引き伸ばし、異様な緊張感を作り出す手法です。
1. 湯呑みとお茶の押し付け合い(急須コント)
楽屋の片隅で、柄本さん扮する芸者が「お茶淹れましたよ」「いいわよ、いらないわよ」と押し問答を繰り返すだけの展開。熱狂的な支持を集めたのは、柄本さんが急須の蓋を意味もなくカチャカチャと鳴らし続けたり、お茶を差し出す手を数ミリ単位で不気味に震わせたりする怪演でした。志村さんが「アンタの手、なんなのよ!」とツッコミを入れつつも、顔を真っ赤にして吹き出す名場面です。
2. 耳元での怪奇なささやきと奇声
世間話をしていた柄本芸者が、突然志村さんの顔面スレスレまで顔を近づけ、甲高い裏声で「へへへぇ」「いやぁねぇ」と耳元で息を吹きかけるシーン。これには志村さんも完全に素に戻り、「耳元で変な声出すなよ! 気持ち悪いな!」と本気で嫌がりながら床に倒れ込みました。テレビカメラが志村さんの震える背中を捉え続ける様子は、コントの枠を超えたドキュメンタリーの様相を呈していました。
3. 『志村けんのバカ殿様』への電撃出張
『だいじょうぶだぁ』の名物となった芸者コンビは、やがて国民的特番『志村けんのバカ殿様』の城内にも乱入します。殿の前に現れた柄本芸者が、殿の威光をまったく意に介さず、馴れ馴れしい態度で腰元たちを巻き込みながら城内をかき回す展開は、番組の定番이자最高視聴率を叩き出すキラーコンテンツとなりました。