かつて「東の東大、西の宝塚」と称され、プラチナチケット並みの倍率を誇った音楽学校の入学試験。しかし、近年はその競争倍率にかつてほどの勢いが見られない。
この志願者数の推移こそ、世間の「おかしい」という感覚を最も客観的に証明しているデータかもしれない。
今の若者やその保護者は、どれほど憧れの舞台であっても、心身の健康を損なうリスクを冒してまで挑戦する価値があるのかを冷静に見極めている。エンターテインメントの選択肢が多様化する中で、「理不尽に耐えること」を前提とした美学は、急速にその魅力を失いつつある。