パブリックイメージとしての武田鉄矢は、「口うるさい教育者」あるいは「頑固な昭和の父親」として定着しています。しかし、私生活における彼の実像は、世間のイメージとは大きく異なります。
1974年に結婚した妻・節子さんとの関係は、彼の著書や自伝的エッセイでも繰り返し語られていますが、家庭内での力関係は完全に「恐妻家」のそれです。下積み時代、フォークソングが売れず博多の実家から送られてくる仕送りに頼っていた時代から彼を支え続けた妻は、彼がどれほど名声を得ようとも、慢心しそうになるたびに手厳しい一言で引き戻す存在でした。
「テレビで偉そうなことを言っていると、帰宅後に妻から『あんた、何様のつもりね』と叱責される」というエピソードはファンの間では有名です。ネット上では「男尊女卑的な思想を持っているのではないか」と勘繰られることもありますが、現実の武田家においては、妻と二人の娘という女性陣の主導権が確立されており、本人はむしろ「家庭内ヒエラルキーの最下層」を自認して生きているのが偽らざる真実です。