インターネット上の掲示板やSNSでは時折、「ひき肉やミンチは端切れ肉やクズ肉を集めて作られているから低品質」という言説が見受けられます。しかし、これは近代的な食肉加工の現場実態とは大きくかけ離れた誤解です。
現在の精肉流通においては、食品衛生法および厳格な規格基準のもと、ネック(首肉)、スネ肉、ウデ肉など、ゼラチン質や旨味成分(イノシン酸)が凝縮された赤身部位が計画的に配合されています。これらの部位は筋が多くステーキには不向きですが、細断してミンサーを通すことで、極めて濃厚な出汁と弾力を生み出す最高品質のひき肉へと生まれ変わります。
近年では「国産黒毛和牛100%粗挽き」や「赤身80%指定ひき肉」など、特定の部位を指定したプレミアムミンチが一般化しており、単なる余剰肉の再利用という認識は過去のものとなっています。