本施設を訪れた際に決して見逃してはならないのが、併設されている京都刺繍工芸館 見どころの数々です。館内に足を踏み入れると、絵の具や油彩では決して表現できない、絹糸特有の上品な光沢と立体感に満ちた世界が広がります。
展示の中心を飾るのは、日本の伝統的な京刺繍の技法を極限まで突き詰めた美術工芸品です。糸の細さ、撚(よ)り方、針を通す角度の違いによって光の反射が計算されており、見る位置や照明の当たり方によって作品の表情が劇的に変化します。取材時、館内スタッフは「平面的に見える絵画を、髪の毛よりも細い絹糸を何十色も重ねて縫い上げることで、触れられそうなほどの奥行きと陰影を生み出しています」と熱を込めて解説してくれました。
展示スペースには、世界的な名画の再現作品や日本の国宝級絵巻をモチーフにした大型屏風、絢爛豪華な着物や帯がずらりと並びます。特に、羽毛の一本一本まで縫い分けられた孔雀の羽や、水面の揺らぎを糸のグラデーションで表した風景刺繍は圧巻の完成度です。「単なるお菓子作りの付き添いかと思っていたら、美術館目当てで訪れる価値があるほど圧倒された」という来館者の声がSNSでも多く見られます。