ネット上の掲示板やSNSでは、露天風呂 クマ被害 ネットの反応として様々な俗説が語られていますが、中には危険な誤解が含まれています。現場の取材から見えてきた代表的な3つの誤解を是正します。
誤解1:熊は温かい温泉に入ってくつろぐためにやってくる
前述の通り、熊が人間の温泉を好んで入浴することはありません。熊が露天風呂周辺に引き寄せられる最大の原因は「匂い」と「水場」です。観光客が持ち込んだ飲食料のゴミの匂い、甘い香りのするシャンプーやボディソープの排水臭、あるいは自然の沢水を飲みに来た延長線上に露天風呂が存在しているに過ぎません。
誤解2:鈴を鳴らしたりラジオを大音量で流せば絶対安全である
熊鈴やラジオは「遠くにいる熊に人間の存在を知らせて遠ざける」ための予防策としては有効ですが、万能ではありません。近年問題視されている「人慣れした個体(新世代クマ)」は、人間の生活音を恐れなくなっている場合があります。また、川のせせらぎや滝の音が大きい露天風呂では、流水音にかき消されて熊側も人間の音に気づけず、至近距離での「ばったり遭遇」が起きやすくなります。
誤解3:防護柵があれば100%侵入を防げる
木製の目隠しラティスや一般的な竹垣は、体重100kgを超える成獣の突進やよじ登りには耐えられません。物理的な遮断として機能するのは、適切な電圧が管理された電気柵や、基礎が強固な金属製フェンスのみです。景観との調和を重視する旅館ほど、防護柵の設置方法に高度な工夫を凝らしています。