華やかな表彰の裏側で、長年にわたり球界の闇とされてきたのが中継ぎ投手酷使問題です。リリーフ投手たちの現役生活は、先発投手と比べて著しく短い傾向にあります。かつての名中継ぎ投手が自著や特番インタビューで「ブルペンで毎試合のように肩を作り、出番がないままアイシングをする日のほうが肉体的に削られる」「明日の試合で腕が上がらないのではないかという恐怖と毎日戦っていた」と語った生々しい告白は、ブルペンの壮絶さを物語っています。
登板数にしてシーズン60試合から70試合。しかし、ブルペンでの準備を含めれば、1シーズンで腕を振る回数は先発完投型投手を遥かに凌駕します。勤続疲労によって数年で球速を失い、戦力外通告を受けるリリーフは少なくありません。
さらに現場を悩ませてきたのが最優秀中継ぎ年俸査定の壁でした。球団経営の査定システムにおいて、長らく「先発の勝利数」「抑えのセーブ数」に比べて「ホールド」の金銭的評価は低く見積もられてきました。選手会による粘り強い交渉や、トラックマン・ホークアイといったトラッキングデータの導入によって、現在では以下のような指標が査定に反映される動きが進んでいます。
・火消し時の「抑止率」(前の投手が残した走者を還さなかった割合)
・僅差リード時(1〜2点差)における「ハイレバレッジ局面」の登板実績
・ブルペンでの準備回数に対する球団独自のポイント付与
こうした査定革命により、タイトル獲得クラスのトップリリーバーには年俸1億円〜2億円を優に超える契約が提示されるケースが定着し、かつてのような「使い捨て」と揶揄される構造からの脱却が進みつつあります。