メーテルの代名詞とも言える黒ずくめの装いには、胸を締め付けられるような重い背景が存在します。彼女が着ている黒いコートは、単なる旅装ではなく過去に犠牲となった若者たちのための「喪服」です。
メーテルは母である女王プロメシュームの命を受け、鉄郎と出会う前にも多くの勇敢な少年たちを999号に乗せて機械化母星へと運んできました。彼らは機械の体を貰えるという甘い言葉に導かれ、最終的には帝国のエネルギー源や部品として命を奪われていったのです。
自らの意志に反して「死への水先案内人」を務めさせられていたメーテルは、散っていった少年たちへの贖罪と追悼の意を込め、喪服として黒い服を身に纏い続けています。劇場版『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』のラストで描かれた決別を含め、彼女の衣装には背負い続ける罪の重さと深い哀哀が刻まれています。