今注目を集めている 咽頭がん初期症状と風邪の境界線|声のかすれや首のしこり放置は厳禁について、多角的な視点をご紹介しています。
咽頭がんは早期に発見された場合と、進行した状態で発見された場合とで、治療成績およびその後の機能温存に天と地ほどの開きが生じる。日本癌治療学会や全国がんセンター協議会(全がん協)の集計データを基に、各部位における進行度と治療成績の実態を整理した。
疾患部位・病期分類詳細・数値データ(5年相対生存率)一般的な基準・相場(受診時の実態)編集部の見解・評価上咽頭がん
(ステージI〜IV)ステージI:約85〜90%
ステージIV:約45〜55%手術が困難な解剖学的位置にあり、初回治療の主流は放射線化学療法。解剖学的に切除不能な位置だが放射線感受性が高い。初期の片側性耳閉感の精査が生死を分ける。中咽頭がん
(HPV陽性例)ステージI・II:約85〜92%
進行期でも約70〜80%従来の喫煙型中咽頭がんに比べ、化学放射線療法への反応性が極めて良好。予後は比較的良好だが、放射線による唾液分泌障害や味覚障害を最小限に抑える早期治療が要。下咽頭がん
(ステージI〜IV)ステージI:約80%超
ステージIV:約30〜40%台初診患者の約60〜70%がすでにステージIII以上の進行期で発見される。咽頭がん生存率ステージの格差が最も過酷。進行すると喉頭全摘出となり声を失うリスクが急上昇する。
データが物語る通り、いずれの部位であってもステージI〜IIの早期段階で捉えることができれば、80%以上の確率で治癒を目指すことが可能である。しかし、下咽頭がんのように初診時に進行期で見つかる割合が高い部位では、腫瘍の完全切除のために「喉頭全摘出手術」を余儀なくされ、術後に自らの声帯を使った発声能力を失うという過酷な代償を払うことになりかねない。生存率だけでなく、治療後の日常生活を維持するためにも早期発見が至上命題である。