韓国料理のタコを生きたまま食べる体験は、多くの美食家を惹きつけてやみません。「サン(生きた)」+「ナクチ(テナガダコ)」を意味するサンナクチは、注文を受けてから店内の水槽から引き揚げ、包丁で素早くぶつ切りにして提供されます。
神経がまだ生きているため、皿の上で激しく動き回り、箸で持ち上げるのすら一苦労です。口に運ぶと舌や頬の内側に吸盤がペタッと吸い付き、コリコリとした小気味よい弾力と、噛むほどに溢れ出すタコ本来の甘みを堪能できます。
本場のサンナクチの食べ方には、主に2種類のタレが用いられます。
定番は、塩を入れたごま油(キルムジャン)です。ごま油の香ばしさがタコの淡白な旨味を引き立てるだけでなく、油分が吸盤の吸着力を弱める実用的な役割も果たします。もうひとつは、コチュジャンにお酢や砂糖を加えた甘酸っぱく辛い「チョジャン」で、さっぱりと楽しみたい時に最適です。サンチュやエゴマの葉に包み、ニンニクや青唐辛子を添えて食べるのも現地の通好みなスタイルです。