沖縄そばといえば、豚骨や鰹節からとった滋味深い出汁に太めの麺、甘辛く煮込んだ豚肉を合わせるのが定番スタイルです。しかし、那覇の壺屋にある「沖縄そばEIBUN」のどんぶりに広がる世界は、従来の枠組みを鮮やかに飛び越えています。
店主の中村栄文氏は、東京でフレンチの料理人として腕を磨いた経歴の持ち主。沖縄県内のそば屋を食べ歩き、伝統の奥深さに魅了された末に開業しました。フランス料理の技法である「ジュ(素材の旨味を凝縮したエキス)」の概念を沖縄そばのスープに応用し、豚骨を弱火でじっくり煮出して澄んだ透明感を保ちつつ、昆布や鰹節の重層的な旨味を融合させています。
あっさりとしていながらも、一口すすると口内いっぱいに深いコクが広がるスープはまさに秀逸。伝統をリスペクトしながら洗練を極めたその一杯は、グルメメディアから「進化系沖縄そばの代表格」と称賛されています。