芸能界広しといえども、これほど特異でドラマチックな馴れ初めを持つ夫婦は他に存在しません。二人の接点を生んだのは、2000年7月にエニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたPlayStation用パズルゲーム『鈴木爆発』でした。
このゲームは、実写映像で登場する主人公「鈴木きりえ」が、身の回りのあらゆる日用品(みかん、こたつ、手紙など)に仕掛けられた爆弾を淡々と解体していくというシュールかつ実験的な怪作でした。この主人公・鈴木きりえを実写で演じていたのが、当時21歳だった緒沢凛さんです。
自宅でこのゲームをプレイしていた加藤浩次さんは、画面越しに見つめる彼女の無表情かつ冷涼な美しさに文字通りの一目惚れを起こしました。「この人と絶対に結婚する」と直感した加藤さんは、自身がMCを務めていた深夜のCS情報番組『シネマ通信』やTBS系バラエティ番組『オトセン』の制作陣に懇願し、彼女をゲストとして強引にキャスティングさせたのです。
スタジオで初対面を果たしたものの、当初のかおりさんの加藤さんに対する印象は「最悪」に近いものでした。当時のお笑い界で「狂犬」として暴れ回っていた加藤さんの強引なアプローチに対し、彼女は警戒心を露わにし、連絡先交換の申し出を幾度となく拒否したと伝えられています。
しかし、加藤さんは決して引き下がりませんでした。スタッフを交えた食事会から徐々に距離を縮め、番組で見せる破天荒なペルソナの裏側にある「繊細で責任感の強い素顔」を誠実に伝え続けました。約半年間に及ぶ愚直なアプローチの末、かおりさんの警戒心が解け、真剣交際へと発展。出会いからわずか1年足らずの2001年7月7日、電撃入籍を発表することとなりました。