膝関節自体は構造上「曲げる・伸ばす」動作を得意とする蝶番(ちょうがい)関節であり、回旋や横方向のブレに対する耐久性は高くありません。膝の内側に過剰な牽引力や圧縮力がかかる根本原因の多くは、上下に位置する股関節の硬さと足関節のアライメント異常(偏平足など)にあります。膝に負担をかけずに内側の張りを解消する安全なセルフケアを紹介します。
① 鵞足部を解放する内転筋ストレッチ
鵞足を形成する筋肉(縫工筋・薄筋・半腱様筋)のうち、太ももの内側を通る薄筋と内転筋群の緊張を緩めます。床に座り、両足の足の裏を合わせてあぐらをかく姿勢をとります。背筋を真っ直ぐに伸ばしたまま、骨盤を前方に倒すように上体をゆっくりと前に傾けます。太ももの内側が心地よく伸びる位置で呼吸を止めずに20〜30秒間キープします。膝を手で無理に床へ押し付けてはいけません。
② ハムストリングス(内側半腱様筋)のタオルストレッチ
仰向けに寝転がり、片足の足裏にスポーツタオルをかけます。両手でタオルの端を持ち、膝をできる限り伸ばしたまま脚を天井方向へ引き上げます。太ももの裏側から膝裏の内側にかけて心地よい伸張感を感じる角度で20秒維持します。このとき反対側の足が床から浮かないよう注意してください。膝裏の腱の柔軟性が回復すると、歩行時の着地衝撃が分散されやすくなります。
③ 膝のねじれを防ぐ大腿四頭筋(内側広筋)の等尺性運動(パテラセッティング)
膝がぐらつくのを防ぐため、膝を動かさずに筋肉に刺激を入れます。足を伸ばして座り、膝の裏の下に丸めたバスタオルを敷きます。タオルを膝の裏で床に向かって押し潰すように、太ももの前側にグッと力を入れます。5秒間力を込めて脱力する動作を1セット10回、1日2〜3セット行います。関節を摩擦させずに安全に筋力低下を食い止めることが可能です。