冷凍鮭はそのまま焼くのが正解?ふっくらパサつかないプロ直伝の焼き方

冷凍鮭はそのまま焼くのが正解?ふっくらパサつかないプロ直伝の焼き方

冷凍鮭はそのまま焼くのが正解?ふっくらパサつかないプロ直伝の焼き方に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

「魚は必ず完全に解凍してから焼くべきだ」という思い込みは、現代の調理科学の視点からは過去の常識となりつつあります。冷凍された鮭の身には、細胞内の水分が凍結した氷の結晶が存在しています。室温や電子レンジで急速に解凍を行うと、破壊された細胞壁から水分とともにイノシン酸やグルタミン酸といった旨味成分が「ドリップ」として大量に染み出してしまいます。水産試験場や食品メーカーの分析データによると、解凍時に流れ出るドリップによって、魚肉内部の水分は約5%から8%も損失し、これが加熱後の致命的なパサつきの原因となります。

一方で、凍った状態の鮭を適切な火加減で加熱すると、外側が急激に熱凝固して壁を作り、内部の氷が溶け出すと同時に発生する水蒸気を身の内側に閉じ込めます。つまり、鮭自身の水分で内側から身を蒸し上げる現象が起きるわけです。水産加工流通の専門関係者も「流通技術が進化した現在、獲れたてを船上凍結した鮭は、解凍の手間を挟まずに熱を入れたほうが本来の脂の甘みとふっくらした食感をダイレクトに味わえる」と太鼓判を押しています。解凍の手間を省く時短調理であると同時に、美味しさを最大限に引き出すための極めて論理的なアプローチなのです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。