2019年1月、シリーズ第15作目『HUGっと!プリキュア』の最終回が放送された瞬間、SNSは騒然となった。画面に映し出されたのは、大人になった主人公・野乃はなが、陣痛に耐え、汗を流し、息を荒くしながら出産に挑む姿だった。きらびやかな魔法と戦闘が売りの「プリキュア」において、これほどまでに生々しく、かつ尊厳に満ちた「生」の瞬間が描かれたことは前代未聞だった。
当時の視聴者が驚愕したのは、そのリアリティだ。単に「赤ちゃんが生まれました」という記号的な処理ではなく、痛みに耐える母親の表情や、周囲のサポート、そして産声が上がった瞬間の静寂と歓喜が、緻密な演出で表現されていた。それは、子供たちに「命の誕生」という現実をまっすぐに伝える、制作陣の覚悟の表れでもあった。