山形が全国に誇る「果樹王国」の現場では、この不規則な気象に対する強い危機感が広がっている。特に東根市や天童市周辺のさくらんぼ農家にとって、春先の気温推移は収穫量を左右する命綱だ。
開花時期が予定より1週間以上早まる可能性が出てきたことで、農家が最も恐れているのが「晩霜(おそしも)」の被害である。蕾が膨らんだタイミングで突然の寒の戻りに見舞われれば、雌しびが枯死して開花しても実を結ばなくなる。果樹園の経営者は、「暖かくなるのはありがたいが、早咲きした後にドカンと冷え込むのが一番怖い。防霜ファンの点検と灯油の補充に追われている」と緊張した面持ちで語る。