特別な蒸し網すら手元にない緊急事態でも、落胆する必要はまったくない。キッチンにあるアルミホイルをピンポン玉ほどの大きさに丸め、それを3〜4個フライパンの底に敷き詰めるだけで十分だ。その上に耐熱皿をポンと載せれば、見事な底上げスタンドが完成する。金属製のマグカップや耐熱カップを中央に裏返しで置く方法も、驚くほど安定した土台として機能する。
この物理的アプローチの肝は、「食材を入れた容器を直接フライパン底面に触れさせないこと」に尽きる。底面に直に接してしまうと、蒸すのではなく「焼く」あるいは「焦がす」状態になり、水分が逃げてしまう。わずか数センチの空間を作り出し、沸騰したお湯から立ち上る蒸気だけを効率よく対流させる。この原理さえ把握しておけば、あらゆる深皿や蓋付き鍋に応用が可能だ。