オープニングの暗転とともに放たれるファーストノート。それだけで、広いドームやアリーナの空気が一瞬にして気化するような錯覚に囚われる。細美武士の突き抜けるようなボーカルは、年を重ねるごとに凄みを増し、生々しいエモーションを帯びて観客の胸を撃ち抜く。生形真一のエッジの効いたギターリフ、高田雄一の地底から響くようなベースライン、そして高橋宏貴のタイトで圧倒的なドラミング。この4人の肉体が生み出すアンサンブルは、最新デジタルサウンドが主流となった現代において、本物のロックバンドだけが持ち得る狂気と美しさを突きつけてくる。
特筆すべきは、近年の楽曲群が過去の代表曲と完全に同次元で鳴らされている点だ。復帰後の作品群で示された新しいプロダクションのニュアンスは、ステージ上で極限まで研ぎ澄まされ、往年のパンクナンバーに勝るとも劣らない爆発力を見せつける。観客はただ昔を懐かしんでいるのではない。今、目の前で更新され続ける最前線のロックに打ちのめされているのだ。