図案の細部を表現する「1本取り」や、ざっくりとした素朴な質感を出す「3本取り」など、二つ折りにできない奇数本ではループ留めが使えません。こうしたケースでは、織り目の摩擦力を利用した別のアプローチを採用します。
【1本取りの場合】
布の裏側にある既存のステッチ(周囲に刺し終わった糸がある場合)の裏糸に針を3〜4目くぐらせてから刺し始めるのが基本です。まだ周囲にステッチが全くないまっさらな状態では、これから刺し進めるライン上の裏側に糸端を約2〜3cm残しておき、上からステッチを重ねることで糸端を巻き込みながら固定します。
【3本取り・奇数本の場合】
奇数本取りでは「捨て糸(ウェイスト・ノット)」の手法が極めて有効です。糸端に小さな玉結びを作り、これから刺繍するエリアから2〜3cm離れた表側から針を入れます。裏側に渡った糸の上を覆うように本来のステッチを刺し進め、糸が十分に固定された段階で、表側に出ている仮の玉結びをハサミで根元から切り落とします。
本数に応じた最適な留め方を身につけておくことで、どのような指定のキットやオリジナル図案であっても迷いなく針を進められるようになります。